皆様こんにちは。Minecraft Bedrock (旧 Pocket Edition) について、ネットで検索すると Aternos や Server.pro で無料サーバーが作れます!といった記事が無数出てきます。
しかし、これらを使ってみた人なら分かると思うのですが、無料なのはいいけどこれらはサーバーとしてどうなの?という制限があるのが難点でした。
Aternos と server.pro の残念な点
少しの時間誰も遊んでいない状態が続くと「サーバー起動してるのがもったいないので落としておきますね」という制限です。好きな時間に好きなときにそれぞれ遊びたい人にとってはこの制限は中々苦痛です。
今回構築するサーバーはそのような制限は一切無し。好きなときに好きなだけ遊べて、サーバーは起動しっぱなし。しかも遊んでいない間落ちてしまうという条件がありません。
【追記】
永久に無料がいい人は 【永久無料】 Minecraft サーバー構築【サーバー停止無し】 を参照してください。こちらのほうが求めている内容の方が多い気がします。
今回作成したサーバーを簡単に紹介します。まず Ping 速度ですが、日本国内なので申し分ないスピードです。
また、二人で遊んでいる分には初期状態では採掘遅延も全くありませんでした。ただし、無料ゆえに低スペックのサーバーなのであくまで手軽に遊べる無料サーバーとして楽しんでくださいね。
構築するシステム
Amazon Web Services (AWS)
今回はデジタル庁も採択している AWS 上にサーバーを構築します。多くの実績があるサービスなので安心です。エンジニアとして仕事をしている現在も大きくお世話になっているサービスです。
一つ注釈しておくと、無料期間は1年間なので、2年目も同じデータで続けて遊びたい場合はマイクラのデータをダウンロードし、新しく載せ替える作業が必要になります。
1年間は特段何も気にせず無料で遊べます。1年遊べれば十分という人であれば何も気にしなくていいですね。気が向いたら2年目も続けて遊ぶためのデータ移行方法なども記事にしようと思います。
また、1年を超えると(月 1,000 円ほどですが)料金が発生するので、課金を発生させたくない場合は 1 年経過前に AWS を解約しましょう。解約は同じように AWS コンソール から行うことが可能です。(コンソール画面の一番右上 → 「アカウント」→「アカウントの解約」)
事前準備
Minecraft 最新バージョンの確認
下記リンク内から、最新バージョンを確認します。
「UBUNTU (LINUX) 用 MINECRAFT DEDICATED SERVER ソフトウェア」の下部にある「ダウンロード」ボタンにカーソルを合わせ、ブラウザ左下に表示されるバージョンをメモします。
https://www.minecraft.net/ja-jp/download/server/bedrock
テンプレートファイル保存
ここでも細かいことは割愛します。下のリンクを右クリックし、(分かりやすく) デスクトップに保存します。
https://raw.githubusercontent.com/ydak/aws-minecraft/main/minecraft.yml
Minecraft サーバー構築
では早速サーバーを構築を始めます。
AWS アカウント作成
アカウント登録画面へ
まずは AWS のアカウント作成です。下記ページ内の右上部分「今すぐ無料サインアップ」を選択します。
メールアドレスを入力し、アカウント名を適当に名付けます。ただし、メールアドレスは捨てアドレスなどは使用しないようにしてください。(ずっと使えるものを使用してください)
メールアドレス登録
「認証コードを E メールアドレスに送信」を選択します。
メールアドレス認証
メールに認証コードが届いているので入力し「認証を完了して次へ」を選択します。
ログインパスワード設定
AWS アカウントにログインするためのパスワードを設定します。「次へ」を選択。
連絡先情報入力
「個人 - ご自身のプロジェクト向け」を選択。フルネームや住所などは偽らずに登録してください。記入が終わったら「AWS カスタマーアグリーメント の条項を読み、同意します」にチェックを入れ「次へ」を選択します。
カード情報入力
クレジットカードを持っていない人
- クレジットカード情報の入力ですが、プリペイドカードでも大丈夫です。
持っていない人は ここ から Kyash というアプリの VISA プリペイドカードが作成できるのでこちらを使用しましょう。
電話番号のみで VISA プリペイドカードが発行できます。
入力したら「確認して次へ」を選択。
本人確認
案内に従って本人確認します。
サポートの選択
有料サポートはいらないので無料を選択し「サインアップを完了」を選択します。
AWS 管理画面へ移動
AWS アカウントの作成は完了です。お疲れ様でした。次は AWS 上でサーバー作成をしていきましょう。「AWS マネジメントコンソールへ進む」を選択します。
AWS 管理画面
「ルートユーザー」を選びメールアドレスを入力。「次へ」を選択します。
設定したパスワードを入力し、「サインイン」を選択します。(※画像認識の文字入力確認が出てくることもあります。指示に従って入力してください)
おめでとうございます!AWS のアカウント作成が完了し、管理画面を表示することができました。
下記画像の赤枠の部分が「東京(アジアパシフィック (東京))」になっていない人は、選択して東京に切り替えておきましょう。
大阪のほうが近い人は「大阪」のほうが原則レスポンスは良いです。
Minecraft サーバー構築
可能な限り一般の方向けの説明にしたいので、AWS の各サービスについての説明などは省き、手順のみ記していきます。
サーバーの全自動構築画面 (CloudFormation)
AWS に戻り、画面上部の 検索窓に「cloudformation」と入力します。CloudFormation のサービスメニューが表示されるのでそれを選択します。
「スタックの作成」を選択。
テンプレートファイル選択
「テンプレートの準備完了」「テンプレートファイルのアップロード」を選択し、「ファイルの選択」をクリックして先程ダウンロードした minecraft.yml をアップロードします。アップロードが完了したら「次へ」をクリック。
パラメータの設定
スタックの名前は今回「minecraft」とします。
パラメータについては、それぞれ下記のとおりです。入力が終わったら「次へ」をクリックします。
パラメータ | 説明 |
---|---|
AllowCheats | チートの有効無効の切り替え true: チートON false: チートOFF |
DefaultPermission | 入場ユーザーの初期権限 |
GameMode | ゲームモード |
MinecraftVersion | 前の手順でメモしたバージョン |
Seed | シード値 何も入力しなければ、いつも通りのランダム生成 |
ServerName | サーバー名(自由に決めてOK) |
VPCId | クリックすると1つ表示されるのでそれを選択 |
次のページはなにも入力せず「次へ」をクリックします。
最後の確認ページです。ここでは最下部の「AWS CloudFormation によって IAM リソースがカスタム名で作成される場合があることを承認します。」のチェックボックスのみチェックを入れ「スタックの作成」をクリックします。
おめでとうございます!サーバーの構築が開始しました。4分弱くらいで完了すると思います。飲み物でも飲みながら気楽に待ちましょう。
構築完了待ち
完了したかどうかは下記赤枠内の更新ボタンで確認できます。4分ほど経過したらクリックして確認します。
更新ボタンを押して左ペインのステータスが「CREATE_IN_PROGRESS」ならまだ構築中です。もう少し待ちましょう。
↓ 構築中
↓ 構築完了!
もうあなたのオリジナル Minecraft サーバーは完成しています!では、サーバーにログインしてみましょう。
Minecraft サーバーへ!
サーバーを追加するためには、今回作成したサーバーの IP アドレスを知る必要があります。まずはそれの確認作業です。
IP アドレスの確認
AWS コンソールにて、上部検索窓に「EC2」と入力し、結果で出てきた EC2 サービスを選択します。
「インスタンス(実行中)」を選択します。
minecraft インスタンスのチェックボックスにチェックを入れ、「パブリック IPv4 アドレス」をメモします。これが今回 Minecraft 上で追加するサーバーの IP アドレスです!
Minecraft で遊ぶ
いよいよです。Minecraft アプリを立ち上げ項目を入力し、「遊ぶ」を選択。
項目 | 説明 |
---|---|
サーバー名 | お好きにどうぞ |
サーバー アドレス | 前の手順でメモした IPv4 アドレス 例)xxx.xxx.xxx.xxx |
ポート | 今回は 59132 で固定してあります! 19132ではないのでお間違いのないように。 |
ログインできました!おめでとうございます!これで独占 Minecraft サーバーの完成です!サーバー アドレスとポートを友だちに教えて皆で楽しみましょう。
Minecraft サーバーで急に遊べなくなった(サーバーアップデート方法)
長く遊んでいると「接続できませんでした: サーバーが期限切れです!」といったメッセージが表示され、急に遊べなくなってしまうことがあると思います。
これは、iPhone などで Minecraft アプリのアップデートが実行され、サーバーとバージョンと合わなくなってしまったことが原因です。サーバー側をアップデートすることにより、再度遊べるようにしましょう。
Minecraft 最新バージョンの確認
構築時にも確認しましたが、この手順で Minecraft の最新バージョンをメモしておきます。
AWS コンソールにログイン
さて、構築以来の AWS コンソールです。もう懐かしくなっているでしょうか。
AWS コンソール:https://aws.amazon.com/jp/console/
EC2 インスタンスに接続
画面上部の検索窓に「EC2」と入力し、検索結果の EC2 を選択します。
「インスタンス(実行中)」を選択。
minecraft のインスタンスのチェックボックスにチェックを入れ「接続」を選択。
「セッションマネージャー」タブを選択し、「接続」を選択。
黒い背景の画面が表示されれば成功です。
アップデートコマンドの実行
以下入力するごとに Enter キーを押し、実行していきます。
※Shift + Ins ボタンで貼付できます。
bash
sudo su -
cd /var/minecraft && screen -ls
.minecraft の左に表示された数字をメモします。
※↓メモしたものに書き換えてください
screen -r <メモした数字>
stop
ここまで入力し終えると、少し画面表示がおかしくなります。何も入力せず Enter キーを長押しして画面を流します。
rm -rf bedrock-server*.zip
※↓メモしたものに書き換えてください
curl -Lo bedrock-server.zip https://minecraft.azureedge.net/bin-linux/bedrock-server-<メモした最新バージョン>.zip
unzip -ou bedrock-server.zip -x permissions.json server.properties whitelist.json worlds/*
screen -UAmdS minecraft ./bedrock_server
screen -ls
数字が変更され、minecraft の表示があればアップデートが完了し、再起動が完了しています。お疲れ様でした。
終わりに
Minecraft の構築いかがだったでしょうか。Aternos のようなサービスは手軽に使用できる反面、どうしても譲れないところを譲ってくれない状態になってしまっています。
自分でサーバーを建てさえすれば、定期的にログインなどしなくても好きなときに好きなだけマイクラライフを楽しむことができます。